飛翔中のウスバキトンボ(新井)
毎年ずいぶん無駄なことをするように見えますが、このような無駄と思われることを繰り返した結果、世界中に住み着くことができるようになったのでしょう。最近は地球が暖かくなってきたといわれ、実際日本でもこのところ暖冬が続いています。もしかしたら九州や四国など暖かな地方では幼虫で冬を越しているかも知れません。
  ウスバキトンボの特徴として群れ飛ぶという習性があります。真夏の日中や夕方に、田んぼや草原、空き地などでオレンジ色をしたトンボが群れ飛んでいる光景をよく目にしますが、それはたいていウスバキトンボです。なぜ群れるのかははっきりしませんが、餌を求めて集まってくるというのが理由の一つのようです。田の草取りや、畑を耕したり、草刈りをやるとウスバキトンボの群が付いてくることがあります。それは土を耕したり草刈りを行うことによって、餌となる小さな虫がたくさん飛び立つためだと思われます。長く飛び続けて疲れたときには、田んぼや草原などに止まって休みます。
  その止まり方は他の赤トンボと違って、必ずぶら下がるような姿勢になるのが特徴です。ウスバキトンボは飛びながら交尾相手のメスを探し、メスが見つかると空中で交尾します。交尾が終わるとメスは産卵を始めますが、オスとメスが尾つながりで産む場合や、メスだけで産む場合、メスの近くでオスが見守る場合など様々です。いずれの場合もメスは水面をせわしなく飛びながら時々しっぽの先を水面に触れて産卵します。
  ウスバキトンボの産卵場所としては明るく植物があまり繁っていない水面を好みます。このため、田植え直後の稲が繁っていない田んぼ、公園の池、水泳プールなどが主な産卵場所となります。学校のプ
ールは夏休みが終わるとそのまま水を溜めておくのが普通ですが、そこにはウスバキトンボやアキアカネ、タイリクアカネ、シオカラトンボなど様々なトンボが産卵にやって来ます。
  そのうち成長の速いウスバキトンボだけはその年に親になるのです。9月末から10月頃にプールをのぞいてみると、親になったばかりのウスバキトンボやその抜けがらが見つかるかも知れません。幼虫は1ヶ月という短期間で親になるのでかなりの量のエサを食べるはずですが、一体何を食べているのか詳しいことは調べられていません。ヤゴは5度以下になると死んでしまうと言われていますが、それ以下でも生きているようで、寒さに対する抵抗力もよくわかっていません。








ウスバキトンボの幼虫(新井)

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